DAOという言葉を、暗号資産やNFTに興味のある方などは聞いたことがあると思います。
DAOとは、今ある特定の銘柄を指す物ではなく、
「Decentralized Autonomous Organization」の省略として使われています。
日本語にすると、「自律分散型組織」と言います。
では解説に入っていきましょう。
1.DAO(自律分散型組織)とは?
ビジネスやチャリティなどの共通のウォレットを共同管理するためのオンライン組織です。
DAOを始めて定義したのは、イーサリアムの創業者、ヴィタリック・ブリテン氏です。
2014年の論文に初めて登場した言葉です。
DAOはスマートコントラクトによって決められた一つのルールに従って、ブロックチェーン上に完全に自律的に動作します。
2.DAO(自律分散型組織)の特徴とは?
①社長が存在しない
「会社」というのは通常、社長が存在しますよね。
そしてその社長の指示のもと仕事をこなしていきます。
まず一番大きな特徴として、DAOには社長は存在しません。
DAOは縦型の組織構造ではない、フラットな組織であるということです。
②投票トークンで意思決定
今の会社というものは、「株主」という人たちがいます。
その株主により、会社をどのように運営していくのか、どのように成長させていくべきなのかが決まります。
小さい会社ですと、その会社の社長が大半の株式を保有しているので、株主ということになります。
なので小さい会社の場合、その会社の社長が決定権を持っています。
大きな会社ですと、多数株主がいたりするため、その株主により「株券」が決議権として投票に使用されます。
しかし、DAOはもともと社長というものが存在しないので、株主も株券も存在しません。
その代わりDAOでは「ガバナンストークン(投票券)」というものが議決権に使用されます。
また付与されたガバナンストークンの多くは、暗号資産市場で売買が可能になっています。
ですので、もし私が参加したいDAOがあった場合、市場でそのガバナンストークンを購入し、そのDAOに投票することも可能です。
③匿名で参加可能
株式会社ですと、株券を購入するのに個人情報が必要になってきます。
また、会社に入社するのにも匿名で入社できないので個人情報を提供しなくてはなりません。
現代では何をするにも個人情報を求められ、個人情報を提供し、登録しなければなりませんね。
しかし、DAOではブロックチェーンの仕組みを使っているので、匿名性が非常に高く、完全に匿名で参加することが可能です。
国籍・年齢・性別・職業など、一切関係なく参加することができるんだよね。
もちろん、ガバナンストークン(投票券)を購入する際も個人情報は必要なく、匿名で購入することが可能になるんだよ。
3.DAO(自律分散型組織)の事例は?
一番DAOに近い暗号資産は、みなさんもよく知っているビットコイン(bitcoin)です。
まずビットコインは、「高度に自律的かつ分散型であり、匿名で参加することが可能」
ビットコインを世に生み出した、「サトシ・ナカモト」自体が匿名でありますね。
なおかつ、ブロックチェーン上で完全にコードによって支配されています。
またビットコインは「bit」といい、ビットコインはこうした方がいい、というような提案ができるのです!
そこもDAOと同じですね。
ただビットコインのbitで提案したことが通過し採用されたからといって、トークンをもらえたり、インセンティブはありません。
通常、DAOの概念ではガバナンストークン(投票券)がもらえます。
二つ目に、イーサリアムもDAOに近い暗号資産です。
ビットコインと同じで、高度に自律的かつ分散的であり、匿名で参加することが可能です。
同じくブロックチェーンにより、完全にコードに支配されています。
その他のDAOのプロジェクトについてはまだ勉強中なので、詳しく調べてから解説していきますね♪
今回はDAOがどのようなものなのかということがわかっていただければと思います。
4.DAO(自律分散型組織)を作るメリットは?
DAOで組織を作るメリット
・世界中で誰でも参加することができる
・全ての決定は、コミュニティによって決定される
・DAOとの全ての取引は公開される
DAOというのは、コミュニティに参加している全員の考えをより一致させ、プロジェクトを進めていかなくてはなりません。
自分が立ち上げたDAO組織が傾きかけ、ダメになりそうになったとしても一個人の考えや意見だけで決めることができないのです。
そうなると、例えば、利益を追求するために立ち上げたDAOなのに、全く利益にならないとなってしまったらもともこうもありません。
つまり、DAO組織で作るプロジェクトは利益を追求するためには向かないということです。
5.DAO(自律分散型組織)に向いている人材とは?
・社会で解決したいミッションを追求するために組織を立ち上げたい人
・ミッション実現のためなら自分の意見が通らなくても平気な人
・ミッション実現のためなら色々な人の力を借りてでも、何がなんでも成し遂げたい人
・自分で立ち上げたDAO組織でも、ミッション実現に自分が必要なければ組織から抜けてもいいと考えられる人
このような考えの持ち主が向いてると言えます。(あくまでも私の考えです。)
もともとDAOの理念は、リーダーを作らず、運営する側と参加する側がフラットな関係で、もんなで意見を出し合いながら、プロジェクトを進められるかどうか、ということがDAOになります。
つまり、DAOに向いている組織というものは、国や自治体の運営、オープンソースの開発などとは相性がいいのです。
「利益を求めず、ミッションのみを遂行する」
とても素晴らしいことだと私は思います。
いかがでしたでしょうか。
DAOはまだまだ未知の世界のように私は感じました。
大きな組織を運営したり、まとめたりすることはとても大変なことです。
それを、コミュニティで運営していくというのは、果たして成り立つのでしょうか。
とても面白いDAOの動向を追い続けていきたいと思います。
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